アイアンマンジャパン北海道

真のアイアンマンを目指すトライアスリートたちよ 集え!初秋の洞爺湖へ IRONMAN JAPAN HOKKAIDO 2014.08.24(Sun)

「アイアンマン」が日本に帰ってきた!

「トライアスロンという競技は聞いたことがある」という程度にしか知らない一般の人々にとって、トライアスロンとはひたすら長い距離を競うかなり過酷な競技というイメージを抱いていることが多い。もちろん、どんな距離のトライアスロンも楽に完走できるものはないが、一般的なトライアスロンのイメージはアイアンマンによって作られたといってもいいだろう。1970年代に現代のトライアスロンの競技スタイルが確定する過程で、1978年に初めてのアイアンマン・トライアスロンがハワイで開催された。スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmは、それぞれ単独で行うのもかなりの体力が必要とされるのに、一人が一日のうちにそれらを連続して行うのだ。それが驚愕と共に当時の日本にも伝わり、体力の限界を競う鉄人レースとして人々の記憶に残ることとなった。そして、これが「トライアスロン=過酷」というイメージを作ったのである。

1978年のアイアンマン・トライアスロンはその後、アイアンマン世界選手権へと発展し、世界各地でレースが行われるようになった。ただし、「アイアンマン」を冠したレースはワールド・トライアスロン・コーポレーション(WTC)の認証を受けたもののみに許され、それには距離だけでなく、コースの状態や景観、アクセス、会場エリアの宿泊施設などがWTCの厳しい設定基準をクリアしなければならない。2014年は35回のアイアンマンが予定されているが、アジアでは日本とマレーシアの2つの大会のみ。

2010年までは長崎でアイアンマンが開催されていたが(ただし2010年大会は中止)、それからしばらく日本でアイアンマンが行われなかった。ただし、トライアスロンの最高峰であるアイアンマンを望む人々の思いは強く、2013年に北海道洞爺湖でアイアンマン・ジャパンが復活。また国内でのアイアンマン挑戦が実現したのだ。しかも、長崎でのアイアンマンは制限時間が15時間とほかのアイアンマンと比べて短かったが、洞爺湖では世界標準の17時間を実現し、より多くのトライアスリートにアイアンマンの称号獲得の可能性を与えてくれる。そう、トライアスロンで完走してアイアンマンの称号を真に得られるのは、その名を冠したレースのみ。そして2014年8月、昨年と同じ洞爺湖を舞台に新たなアイアンマン伝説の幕が開く。

火山が生み出した湖と大地を走破

アイアンマン・ジャパンの開催時期である8月末、舞台となる北の大地は秋の訪れが感じられ始めるころ。レースを行うには最適のシーズンである。スイムを行う洞爺湖は国内で9番目の面積を誇る、過去の噴火口からできたカルデラ湖だ。水温も凍える冷たさということはなく、十分に身体を動かすことができる。レース当日は、朝焼けが残る空の下、洞爺湖へ選手たちが次々と入っていく。2013年はフローティングスタートだったので、激しい水しぶきが上がることもなく、湖へ歩を進めつつ、選手はレースへの集中力を高めていく。こうして選手たちの入水が終わるとレーススタート。アイアンマンを目指す長い一日が始まる。

2013年ではスイムは決められたコースを2周する。広い湖で泳げるエリアが十分にあり、自らのペースを維持して泳ぐことができる。海でのスイムに慣れていると、水に浮かぶ感じや水が口に入った際の味に違和感を覚えるかもしれないが、そんな淡水湖ならではの体験も案外気分を高揚させてくれるものだ。そして、いつもの泳ぎをすればスイムのフィニッシュは難しくないはず。

湖から上がり、次はバイクで走り出す。最初は洞爺湖湖畔を約半周するフラットなコース。スタート時はまだ薄暗さの残っていた空も、バイクが始まるころには明るくなり、美しくきらめく湖面を目に捉えながら進んでいく。こうして25kmほど湖畔の道を走った後、湖から離れて活火山である羊蹄山のふもとを目指す。


IRONMAN JAPAN HOKKAIDO 2013 Course map

ここからはアップダウンが激しく、ところどころで急カーブも出てくる。距離が進むごとに疲労が蓄積し、ペダルを踏み込むことも辛さを増していく。そんな苦しさと戦いつつ、バイクで羊蹄山の南側のふもとを走り、昆布岳の周囲をぐるっと回っていくコースを走破していく。ここのバイクコースは、広い北海道の地の利を生かして180.2kmを1周で走りきるルートになっている。そのため、速い選手に周回遅れにされるということがなく、ここも自分のペースを維持して走ることが可能なのだ。また、長い距離を一人で走る孤独も、コースの各所にいるエイドのスタッフや、巡回しているボランティア、沿道で声をかけてくれる地元の人々が忘れさせてくれ、走る力を与えてくれる。こうして最初に走った洞爺湖湖畔のコースを戻っていき、バイクが終了となる。

ここまでくれば、あとはランを完走するのみ。洞爺湖の湖畔に設けられた10kmのコースを2往復するランを走る頃には、日がかなり傾いているはず。気温は下がり、ここまでの疲労やダメージも重なって、スタートするのも楽ではないかもしれない。それでも、そこを乗り越えた先に栄えあるアイアンマンの称号があるのだ。そして、夜になってもアイアンマンを目指して走り続けるのである。そんな努力を続けていると、洞爺湖に花火が上がる。毎年恒例の洞爺湖ロングラン花火がアイアンマンの栄光を祝福してくれている、そんな思いを抱いて最後の力を振り絞る。そんな着実な努力は必ず実を結び、目の前にゴールゲートが現れる。そこをくぐれば、栄えあるアイアンマンの仲間入りだ!

2013年のアイアンマン・ジャパン北海道の完走率は約90%。日ごろ、しっかりとトレーニングを積んでいればアイアンマンになることは、決して夢ではない。日ごろの努力をアイアンマンという称号に結びつける、そんなチャレンジをしてみてはどうだろう。

レースを忘れて楽しむ温泉&景色&グルメ

アイアンマン・ジャパン北海道のメイン会場となる洞爺湖は、噴火口から生まれたカルデラ湖であり、南は活火山の有珠山と接している。火山のふもとにある湖周辺は当然のように温泉が湧出し、南側の湖岸には北海道随一のホテル・旅館数を誇る洞爺湖温泉が存在する。泉質はナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩などで、神経痛や関節痛、疲労回復などに効能あり。アイアンマンで酷使した身体を癒すのには最適だ。宿泊施設の温泉以外にも、温泉街のさまざまなところに手湯や足湯が用意され、気軽に温泉を楽しめるのも魅力となっている。

洞爺湖全体の眺望を楽しめるスポットもいくつかある。有珠山山頂の洞爺湖展望台からは、昭和新山と洞爺湖とを同じアングル内に眺めることが可能。展望台までの有珠山ロープウェイからの洞爺湖の眺めもなかなかのもの。湖西側にあるサイロ展望台からの洞爺湖の眺めも良い。サイロ展望台ではヘリコプターでのスカイクルージングを楽しむこともできる。羊蹄山のほうを巡るコースもあり、上空からアイアンマンのコースを見てその距離を別の視点から実感してみるのも一興だ。

美しい山の形から蝦夷富士の別名を有し、日本百名山にも選出されている羊蹄山。バイクコースでふもとを走るが、レース中にのんびり景色を楽しむ余裕はないかもしれない。そこで、レース以外の時間を利用してその姿を眺めてみるといいだろう。天気が良ければ洞爺湖近辺からも見ることができるが、近づけば標高1,898mの迫力を感じられるはず。また、羊蹄山は美味しい湧水でも知られる。しみ込んだ水が火山の中で濾過され、標高250m前後にある溶岩と粘土層の境目付近で地表に流れ出る。この湧水はカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分がほどよく溶け込んでおり、一年を通して水温も6.8℃とほぼ一定している。京極町のふきだし湧水など、蝦夷富士のミネラルウォーターを味わいに足を延ばすのも悪くない。

羊蹄山ふもとの地域ではさまざまな農作物が作られ、美味しいものがたくさんあるのも魅力。特に8月は新ジャガのシーズンで、せっかくここまでやってきて味わわない選択肢は考えられない。国道230号線中山峠にあって羊蹄山を望む絶景のレストスポット「道の駅 望羊中山」にて、名物の「峠のあげいも」などいかがだろうか。また、“いも”と名前が付いているものの、材料には一切イモ類が使われていない洞爺湖名産「わかさいも」は、ぜひお土産に。

これらをレース後でも、もしくはレース前でも楽しむことができる。エリアとしての魅力も備えたアイアンマン・ジャパン北海道。観光目的と合わせて楽しんでしまう、そんな参加の仕方も断然アリ。レースと合わせて、日常の自分を脱ぎ捨てるなんてこともできるだろう。

IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP 2015への道

毎年10月、ハワイ島コナで各地のアイアンマンで上位のタイムをたたき出した選手が集まり、アイアンマンの中のアイアンマンを決定する「アイアンマン世界選手権」が行われている。アイアンマン・ジャパン北海道で年齢別で40位以内に入れば、2015年開催のアイアンマン世界選手権の参加資格を得られる。より高いレベルを目指したい、そんな高い意識を持つトライアスリートにとってもアイアンマン・ジャパン北海道へ参戦する意義がある。自らの実力に自信があるトライアスリート、体力に自信があるさまざまなアスリートたちの参戦をアイアンマン・ジャパンは待っている。

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