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第3回伊勢志摩・里海トライアスロン大会

第3回伊勢志摩・里海トライアスロン大会

RACE DATA

開催日 2015/7/5(日)
天候
気温 最高24.0℃ / 最低19.0℃
水温 23.0℃
出場者数 スタンダード472名 / リレー40チーム(120名)
計592名
完走者数 スタンダード454名 / リレー37チーム(111名)
計565名
完走率 スタンダード96.18% / リレー92.5%
全体94.34%

取材した人:奥山 潤

■ 風光明媚な伊勢志摩を舞台にトライアスロン

2015年7月5日(日)、来年のサミット(主要国首脳会議)開催決定とともに最近注目が集まる「伊勢志摩」において、3回目の伊勢志摩・里海トライアスロン大会が開催された。
伊勢志摩は「お伊勢参り」でお馴染みの「伊勢神宮」や、リアス式海岸が作り出す志摩半島の雄大な自然など、今注目の観光スポット。大会メイン会場の浜島は、透明な美しい海と周囲を山に囲まれたロケーション。また海の向こう側には、阿児の松原としても有名な半島も眺められる、まるで島のような美しいロケーションが魅力だ。
有名な伊勢海老はこの時期の旬ではないが、豊かな海が育む海鮮料理は絶品。最高のロケーションとともに、温泉やグルメも楽しめるリゾートトライアスロンの要素が豊富に詰まっている大会といえる。

■ 事前にコースをチェックして魅力を実感

今回はレース以外の要素も取材するため、受付前日の7月3日(金)早朝に東京を出発。道中、静岡県内は大雨で高速道路も減速しながらの緊張のドライブ。そんな中、テレビを見ていたら今夏の国内旅行先の人気動向が報道され、新幹線人気で話題の北陸地区とともに、伊勢志摩が注目を集めているとのこと。そんな話題に期待を高めつつ大会前日の受付会場「阿児アリーナ」に到着すると、玄関には来年のサミット開催拠点として1~6月まで休業との貼紙が大きく記載されていた。サミット開催によって、伊勢志摩が注目を集めていることをあらためて実感。
大会スタッフの方々に挨拶を済ませると、明日の受付準備をお手伝いし、ひと段落したところでレースメイン会場を視察。阿児アリーナから浜島のレース会場までは約10km強の道のり。途中、リアス式海岸独特の景色を見ながら15分ほどで浜島地区に入ると、眼前に一気に熊野湾が広がる。この景色を見た瞬間、鳥肌が立つほどの素敵なロケーションに感動。この地でトライアスロン大会を実施しようという大会関係者の思いが見ただけで分かる景色だ。
メイン会場から見える周辺の景色を確認し、晴天でのレースを願いつつ初日のコース視察は終了。その後、阿児アリーナ近くの「荒磯料理 海女小屋」で海鮮料理を堪能しながら、素敵な伊勢志摩のロケーションについて語り合った。

■ レース前日は選手受付&エキスポ開催

7月4日(土)早朝、小雨の中、あらためてメイン会場を見学。その時、釣りにきていた人に「ここで何かあるの?」と聞かれ、トライアスロン大会が明日行われると答えた。すると、その人はこの地に何回も釣りに来ていて、ここでレースができるなんてすばらしいと絶賛。ただ今回はレース前に帰るとのことで、いつかはレースも見てみたいと話していた。
さらにランコースをジョギングしてみたが、入り組んだ湾沿いのコースは常に景色に変化があり、気持ちがますます高まってきた。
その後、受付のため阿児アリーナに移動。受付で渡された配布物の中で目を引いたのはお守り。選手が安全にレースを完走できることを祈願し、「安全に乗る」と書いて安乗神社(あのり)のお守りが入っていて、なかなかユニーク。
受付会場にある体育館の玄関前には国産ブランドバイク「CEEPO」と「BOMA」が試乗車を展示し、参加者の注目を集めていた。雨天のため、出展社のブースは体育館内に。館内では志摩半島の魅力的な海を堪能できるシーカヤックツアーの紹介や、鉄分をイオン化して吸収しやすくしたミネラメイト、トライアスロンシーンで活躍するお洒落アイテムや便利グッズを取り揃えるショップ、お米を発酵させて作った無添加補給飲料ニンジャエナジー、トライアスロンではお馴染みの高機能コンプレッションウェアブランドのコンプレスポーツ、トライアスロンブランドZOOTやクエン酸でお馴染みのメダリスト、ゼッケンベルトに補給食が入れられるランポケなど、多くのブースが並んでいた。
受付を済ませた選手は、競技説明会に出席すればこの日は終了。受付後、事前にコースを下見したり、スイム会場で試泳したりする選手も多かった。また、夜は地元のお店でご当地の海鮮を楽しんだり、ゆっくりと温泉に浸かり、明日に備える姿も見受けられた。

■ レース当日も雨の中でのスタート

最高のロケーションを最高の天気で、との願いもむなしく、レース当日もあいにくの雨模様。交通規制への対応などのために早朝スタートの大会が多い中、この大会はレーススタートが10時で、朝食を宿泊先でゆっくり取ってからレースに望める。また、メイン会場に雨をしのげる選手用テントを追加設置するなど、様々な面で選手や応援者等に対する大会運営の方々の配慮に頭が下がる。
開会式では神主さんが選手の無事を祈願して祈祷を行い、この地で働く海女さんからスタート前の選手にエールが送られた。

■ 穏やかで透明度の高い海で快適なスイム

大会メイン会場の目の前に広がる浜島海水浴場は湾で囲まれていて、外海が荒れているときでも穏やかなのが特徴。一年のうちでも荒れることはほとんどないとのこと。この日も穏やかで、雨で普段よりは少し濁っているものの透明度は高く、とても気持ちのいいコースだ。浜をスタートして湾の奥まで泳いで折り返す750mのコースを2周回、2つのウェーブに分かれてスタート。
実際に海に入ってみると潮の流れも少なく、終始穏やかなコンディションでストレスなく泳ぐことができる。初心者にとってもかなり泳ぎやすいスイムコースといえるだろう。ウェットスーツレンタルもあり、まだウェットを持っていない初心者も参加可能。レンタルできるウェットは、イギリスのナショナルチームなども愛用するゼロディの高機能ウェットだ。雨でなければ透明度はもっと高いのかもしれないが、周囲の選手も十分見えるため、安心して泳ぐことができる。水温も冷たくなく、終始リラックスしながらスイムフィニッシュ。
ちょっとリラックスし過ぎて若干時間が掛かってしまったが、慌てることなくトランジションへ向かう。

■ 景観も起伏にも富んで飽きないバイクコース

バイクコースは国道260号を海沿いに走って折り返したあと、山のほうへと登っていき、再び海沿いに戻ってくる20kmを2周回。51.5kmのバイクコースとしては非常にダイナミックで海、山、トンネルなど変化に富んだ走り甲斐のあるものになっている。前回までは6周回のコースだったが、今回は浜島の魅力をより感じられるコースとなった。
トランジションを抜けて国道に出ると、沿道にある複数の旅館の従業員から多くの声援が送られた。平坦な部分はほとんどなく、常に緩やかなアップダウンを感じつつも、熊野湾や4つのトンネルなど、目に飛び込む景色が目まぐるしく変化して飽きのこないコースだ。国道260号線を左折して浜島バイパスを登り、突き当たり手前を右折。ここは競技説明会でも説明のあったミニヒルクライムコース。なかなか厳しい斜度だが、ここを登りきれば、あとは下って再び国道260号線を左折し、海沿いを走ると1周回が終了。相変わらず雨は降っているものの、おかげで暑さを感じることもなく、2週目も無事に走り終えてバイクフィニッシュ。

■ ランコースにはレースディレクターの思いが満載

再び、応援の集まるメイン会場に戻ってトランジション。ランスタートはメイン会場を横切って、海沿いのビン玉ロードに向かう。ビン玉ロードは、かつて浜島で盛んだったマグロはえ縄漁用のガラス球のブイ「ビン玉」を並べた道で、散歩道としても人気。海の眺めもよくこの大会の見所の一つだ。
ビン玉ロードを往復すると、浜島の商店街へ入っていく。商店街沿いのコースは、レースディレクター竹内鉄平氏の「ぜひここを走ってほしい!」という強い思いで実現したコース。当初、警察署からは商店街をランコースにするなんてあり得ないと言われたそうだが、交渉を重ねてなんとか実現に漕ぎ着けた。昭和から続く趣のある町並みと、商店街で暮らす地元の方々の沿道からの応援に元気をもらい、地元のおばちゃんとハイタッチする姿も。
商店街を抜けると、選手に待ち受けるのは、短めではあるが急激な登坂。ビン玉ロードにも階段を走るところがあり、ここのランコースはところどころで選手に試練を与える。レース後に竹内氏から「そういった変化を楽しんで欲しかった」というコメントを聞いたが、こういったコース設定を楽しむのも、この大会の魅力。
海沿いに戻ると、メイン会場とは反対側の海岸沿いを走る。浜島のロケーションを満遍なく感じさせる見所満載のランコースは5kmの2周回となっており、2周目を終えるとメイン会場へのフィニッシュゲートが迎えてくれる。同伴ゴールもOKで、家族やチームの仲間と笑顔でフィニッシュする選手も多く見られた。フィニッシュ後はボランティアの子供たちがタオルをかけてくれ、女性の選手には花の髪飾りが贈られる。こんなところにもこの大会の心配りが見て取れる。

■ フィニッシュ後もさまざまな演出で盛り上がる

フィニッシュ後、選手は予め配布されたふるまい券で伊勢海老長寿汁と会場に出店している地元の飲食店の料理と引き換えてエネルギー補給。伊勢海老汁はだしがきいており、雨で肌寒い選手の胃袋を温めてくれた。また飲食ブースにはかつおバーガーや秋刀魚寿司など、ご当地グルメが盛りだくさんで、特に海鮮料理のお弁当などはあっという間に売り切れていた。
ステージ上では三重大学フラサークルによるフラダンスや、レースにも出場していた吉本芸人チーム、伊勢出身のシンガー「etsuco」(http://www.etsuco.net/)のライブが行われ、会場を盛り上げる。メイン会場には前日同様多くの出展ブースも並び、バイクの試乗やサプリの試飲、つまようじブラシ法による歯磨きの体験なども行われていた。
大会を盛り上げるためのさまざまな工夫が凝らされたフィニッシュ会場の締めくくりは表彰式。MCが盛り上げながら各部門の表彰が行われ、大会は無事に幕を閉じた。

■ 魅力満載の大会は多くのトライアスリートにおすすめ

晴れた伊勢志摩を見ることができなかったのは唯一の心残りだが、現地は風光明媚で着いたときから心がわくわくした。今回は伊勢志摩のほんの一部しか見ることができなかったので、観光でまた訪れたいと思わせる場所だ。
素晴らしいロケーション、大会を作りたいという実行委員の方々の熱い思い、地元の方々の温かいおもてなしによって、今後ますます人気の大会になっていくだろう。天候の影響を受けることがトライアスロンの最大の課題だが、この大会は穏やかな海と雨が降っても満喫できるだけのロケーションがあり、レース選びの要素としてはかなり高いレベルにある。まだこの大会を知らなかったという人には、ぜひ次回の伊勢志摩・里海トライアスロン大会に参加して欲しい。

PROFILE

奥山潤

トライアスロンスタイル編集部員。
ロングもミドルも大好き。トライアスロンを思いっきり楽しみたい。
トライアスロン歴は、八年目。